前回のピンホールカメラ作りをきっかけに、光の像からどうやって写真がつくりだされるんだろ?ってことが知りたくなったので、さっそく調べてみました。
難しくて理解できないってこともあったけど、へ〜!オモシロイってこともあったので、私が理解できたことだけをここにツラツラ書いてみようと思います。
少しでも写真のことを知るキッカケになってくれたら嬉しいです。
ちなみに、ピンホールカメラ作りで体験した『真っ暗な中に入った光が上下逆さまに写し出される現象』はカメラ・オブスクラと呼ぶそうです。
この現象は紀元前から確認されていて、写真技術が発明される前は写し出された像を使ってトレースするように絵を描いていた時代もあったそうです。
世界初の写真発明はこんなだった
世界初の写真技術が生まれたのは1824年、ざっくり200年ほど前のこと。
発明者はフランスのジョセフ・ニセフォール・ニエプスさん。
ニエプスさんが光の像を形にするために選んだ材料は、あのアスファルトだったんです。
カメラ・オブスクラの現象を使いアスファルトに光の像を当てる
そして固まらなかった部分を洗い流すことで印刷の原版を作る
意外とシンプルですよね!
でも、この方法だと光に当てる時間(露光時間)がなんと8時間〜20時間もかかったとか?
初めての写真はこうやって生まれたんですね。
そして、この技法はヘリオグラフィー(太陽で描く)と呼ばれているそうです。なんだか素敵な名前です。
でも、ニエプスさんはこれで満足はせず『もっと短い時間で鮮明に』と、発明はまだ続きました。
ニエプスさんに協力者現る
元々パリでジオラマ作家など建築関係が専門だったルイ・ジャック・マンデ・ダゲールさん。この方が協力者となって次の発明が進められます。
でもね、ニエプスさんは志半ばに亡くなっちゃったんですって。それでこのダゲールさんがその意思を受け継いで研究を続けたそうです。
この発明は読みましたが正直。。。よく分かりましぇん!
アスファルトの次は『銀化合物』を使う化学実験の世界で、ちんぷんかんぷん☆
理解できたのは、『撮影をして→現像する』という工程が生まれたということくらいです、ハイ…。
銅板にヨウ化銀を乗っけた板に光を当てて『撮影』し、
それに水銀蒸気をあてて『現像』をして、
最後に、塩水をかけると写真ができあがる。
この発明での大きな進化は、露光時間が大幅に短縮され20分〜30分でできるようになったことです。
すごい進歩です!!だって8時間→20分!ですもんね!
でも、この発明の欠点は複製できないということ。今もある『インスタント写真』がこれに似た方法で作られているとか。確かに早く作れても焼き増しできないのは残念。それは今も同じですよね。
この技法は『ダゲレオタイプ(銀盤写真ともいう)』と名付けられ1839年に発表されました。
ヘリオグラフィーの発明から15年の歳月を経て新しい技法が生まれたってことですね。
時を同じくして違う発明が進んでいた!
ダゲールさんがインスタント写真に似た物を発明していた頃、時を同じくしてイギリスに『ネガポジ法』という今のフィルムの原理を生み出していた人がいたそうです。
名前はウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットさん。
『ネガを作って→印画紙に焼く』この基盤がここで出来ました。
どうやらね、ダゲールさんがダゲレオタイプを発表する前から『ネガ』を作ることに成功していたらしんだけど、研究を中断して他のことをしていたらしい。
でもダゲールさんがすごい発表をしたもんだから、タルボットさんも『こっちにもすごい方法があるぞ!』とばかりに発表をしたとか?
タルボットさんも『銀化合物』を使用。でもヨウ化銀ではなく『塩化銀』
この塩化銀を紙に染み込ませてまず陰画(ネガ)を作り、
もう一度印画紙に写し陽画(ポジ)=写真を作り出す方法
これが今のフイルム撮影の仕組となっているんですね。
- ダゲールさんはインスタント写真の基盤
- タルボットさんはフイルム写真の基盤
を作り上げたってことですよね。
この発明は1841年『カロタイプ』として発表。さらにタルボットさんは1844年には世界初の写真集『自然の鉛筆』を出版したそうです。
フィルムへと繋がる発明
タルボットさん発明の『ネガとポジ』という仕組みは、確かに今のフィルムの仕組みに近い。でも使っていた材料がネガも『紙』だったそうです。
だから鮮明さはイマイチだったとか?
ネガの材料を紙からガラスへ(湿板;しっぱん)
タルボットさんの発明からさらに進化させたのは、同じイギリス人のフレデリック・スコット・アーチャーさん
ネガの材料を『紙→ガラス』に変え、銀化合物は『コロジオン』を使った技法
この技法でさらに露光時間は短縮されその速さ、
20分→数秒から1・2分!
これはもう現在に近いですよね!!
でも、この方法にも欠点が。。。それはガラスに液を塗って乾かないうちに『撮影』も『現像』もしなくてはいけないこと。そのため、暗室を持ち歩かなくてはダメだったそうですよ。
乾かないうちに。。。って方法だから?この技法は『湿板』とばれています。1851年に発明されたそうです
コロジオンからゼラチンへ(乾板;かんぱん)
次の発明に挑んだのが、またしてもイギリスのリチャード・リーチ・マドックスさん。写真の発明国はフランスからイギリスへ?って流れですね。
ネガの材料はガラスのまま、銀化合物を『コロジオン→臭化銀をゼラチンに混ぜたもの』にチェンジした技法
ちょっとした変化のようで、この進化は写真を手軽に楽しめる第一歩となったのです。
- 工場での大量生産が可能になった
- 暗室を持ち歩かなくてよくなった
- 動く物(人)の撮影ができるようになった
ね、すごい変化ですよね。このゼラチンを使う方法は現在も使われているそうです。
この技法は1871年に発明され、湿板に対し乾燥していることから『乾板』と呼ばれています。
とうとうフィルムの誕生!開発はKodak
『乾板』の改良点。それはガラスは重くて割れるという性質
そこで代わりに新しく使われたのが『セルロイド』。その素材の柔らかさを生かして巻物状にした!それが今わたし達がよく知る『フィルム』の誕生なんですね。
いよいよフィルムが誕生したー!
ちなみに、この巻物状に開発されたのは1889年。アメリカのジョージ・イーストマンさんが創設した『イーストマン・コダック社』
ここからフィルムの進化もありますよね。
ブラウニー→35mm→カラーフィルムへと。
このカラーフィルムの仕組みがまた思っていた以上にスゴかった。それを書くと長くなりそうなので、この記事ではフェルムの誕生までで一旦おしまいにします。
まとめ
発明者 | 発明の名称 | 感光材料 | 主な進化 |
ジョセフ・ニセフォール・ニエプス | ヘリオグラフィー | アスファルト | 世界初の写真 |
ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール | ダケレオタイプ | 銅板にヨウ化銀 | インスタント写真の原理 |
ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット | カロタイプ | 紙に塩化銀 | フィルムの原理 |
フレデリック・スコット・アーチャー | 湿板(しっぱん) | ガラスにコロジオン | 品質と露光時間の大幅短縮 |
リチャード・リーチ・マドックス | 乾板(かんぱん) | ガラスに臭化銀 | 感光材料の大量生産、暗室、動体撮影が可能 |
イーストマン・コダック社 | フィルム誕生 | セルロイド | フィルムの基盤 |
【写真用語】
写真技術の歴史ではいろんな材料が出てきましたが、アスファルトや銀の化合物のように光を当てた時に化学変化を起こす物を感光剤と呼びます。
また感光性をもった製品を感光材料とよび、ネガフィルムのようなネガ材料と、印画紙やポジフィルムのようなポジ材料とがあるそうです。
少し長くなりましたが、いかがでしたか?
私は歴史に触れることで、カメラの原理や光の役割が感覚的に理解ができました。そして感光材料の進化の先に、今のデジタルのイメージセンサーがあるということも何となく想像ができます。
